新会社法による企業再生
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新会社法による企業再生

規制緩和により、企業再生の実務に影響を及ぼす改正ポイントや新しく認められた再生手法や、簡易・迅速な再生が出来そうです。

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現行法のDESの取り扱い


 DESとは、債務(debt)と資本(equity)の交換(swap)、いわゆる「債務の株式化」、債権者側からは「(不良)債権の株式化」といわれるもので、不良債権化した金銭債権を、現物出資の対象として株式の割当てを受ける再生スキーム(会社の債務の株式化)です。

 現行商法では、金銭債権の現物出資により増資を行う場合、原則として検査役の調査または弁護士等による証明が必要とされています。



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DESの活用


 新会社法の施行により、検査役による調査等が不要となるケースが増えますので、検査役調査にかかるコストやスケジュール遅延の問題を考える必要がなくなり、DESの実行が容易になります。

 《 改定点 》

①現物出資する財産が株式会社に対する弁済期の到来している金銭債権であれば、直ちに支払義務を負うことが確定していることから、

ⅰ)金銭債権の期限が到来していること、

ⅱ)金銭債権を帳簿価額以下で出資する場合は、検査役の調査や弁護士等による証明が不要となります。

(207条9項5号)

②検査役等の調査が不要である場合には、当該金銭債権について記載された会計帳簿を登記申請書の添付書類とすることが要求されます。

(商業登記法56条3号二)



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100%減資が可能


 企業再生において、株主責任を明確にした上で、スポンサーからの出資を容易にするため、100%減資と同時に第三者割当増資を行って、既存の株主の交代を行うことがあります。

 現行法では、100%減・増資の手法の法的整理手続において、規定が整備されていますが、私的整理の場合は、明文規定がなく、株主全員の同意を必要とするか、株主総会の特別決議で行うことができるかについて解釈上争いがあります。

 改定された新会社法においては、発行済株式を種類株式の一つである「全部取得条項付種類株式」(108条1項7号)に定款変更し、株主総会の特別決議をもって、「全部取得条項付種類株式」の全部を取得するとともに、自己株式として消却することにより、従来の100%減資を実現することができます。



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清算手続きの簡素化


 通常清算手続は、現行法において、裁判所の監督に服し、会社が清算手続に入ると、清算人は様々な文書を裁判所に提出する必要があります。

  新会社法施行により、グループ内の休眠会社や存続させておく必要がない株式会社について、通常清算手続きを選択して、迅速・簡易に清算することが可能になります。

 《 改定点 》

①通常の清算手続きについては、裁判所の監督制度が廃止され、解散の事由等の裁判所への届出並びに財産目録及び貸借対照表の裁判所への提出制度が廃止されます。

②現行商法では、清算人は、債権者に対し、就職の日から2か月以内に少なくとも3回、債権申出の公告を義務付けられますが、新会社法では、迅速な清算を実現するため、公告は1回で足ります。

(499条1項)

③残余財産の分配を現物で行うことが可能になります。

(504条1項)



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有限会社の企業再生手法が多様化


 現行法では、民事再生手続きを利用することはできますが、減増資に関する規定は、適用されませんでした。新会社法により、増減資に関する規定についても利用できるようになります。

 新会社法では、有限会社は、株式会社として存続する為、現行法では、利用することができなかった会社更生手続が利用できます。



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「会社分割」に関する改正


 現行商法では、会社分割は「営業の全部または一部」を承継の対象としているのに対し、新会社法では承継の対象が「事業に関して有する権利義務の全部または一部」との表現に変更されました(2条29号、30号)。

 事業の全部ではなく、「権利義務の全部または一部」とされたことから、承継の対象を、より柔軟に解釈することで、様々に活用する余地が生じます。



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